Philosophien

哲学とかんがえごと

かえりたい

中学生の頃から、口癖が「かえりたい」でした。

テストやら自分が担当の発表やらの憂鬱なイベントがある日はもちろん、何もない日も何となく「かえりたい。おうちのふとんでゴロゴロしたい。」と思って毎日過ごしていました。

 

ある日、出かける予定もなく自宅でゴロゴロしながら「かえりたい」と思ったことがありました。

「家にいるのに何故そんなことを思うのだろう」と不思議に思いましたが、毎日「かえりたい」と考えている人間なので、いつもの"癖"で頭に浮かんだのだろうと思い深くは考えませんでした。

 

"癖"

接客業のアルバイトをしていると、コンビニでお会計をしているときに店員さんの発する「ありがとうございました!」に反応して自分も「ありがとうございました!」と言いそうになることがあります。

普段無意識にしてしまう行動が癖とよばれます。ですがいつも考えていることだからといって、無意識の行動のように頭に浮かぶことがあるのでしょうか?

 

帰宅願望ではなく

 

...住居は人間が最も安全で快適に感じることのできた母胎の代用品であり、わたしたちはいまなおこの最初の住居に戻ることを願っているのである。

フロイト『幻想の未来/文化への不満』p180

 たまたま読んでいたフロイトの論文の一節です。

僕が常に抱いていた「かえりたい」という願望は、家でゴロゴロしたいという帰宅願望ではなく至上の快適さを享受できる母胎への回帰(胎内回帰)の願望のようです。